皮膚科で処方される保湿剤の中でも代表的なものにワセリンとヒルドイドがあります。
しかし、ワセリンとヒルドイドはどのようなものでどういった違いがあるのか、きちんと理解されている人は少ないのではないのでしょうか?
そこでここではワセリンとヒルドイドについて詳しく解説していきます。
ワセリンとは肌の内部には浸透せず、肌の表面を保護する性質があります。
そのため保湿剤、というよりは「保護剤」という解釈の方が正しいかもしれません。
肌の表面を保護して肌から水分が蒸発しないようにし、肌の内部に水分を閉じ込める事が出来ます。
その効果は他の保湿剤に比べてとても高く、ホホバオイルの3倍以上、オリーブオイルの5倍以上の効果があるという測定データもあるほどです。
ワセリンは肌の内部に浸透しないため、肌自体に刺激を与えることがなく、肌にとって安全な保湿剤であるといえます。
ワセリンの主成分は石油などの鉱物油なのですが、生成されているので安全性が高いものになっています。
例えば、医療現場で使用されたり口に入れても害が無いので赤ちゃんや子供に使用されたり、目の付近に使用することも出来ます。
安全性は純度が高いものの方が確率が高くなるので、「サンホワイト」や「プロペト」などを購入するようにするとよいでしょう。
使用するときには肌をこすらないよう優しく使用し、出来るだけ厚く付けるようにしたほうが効果を発揮させる事ができます。
ヒルドイドは、モイスチャー効果がある保湿剤です。
「モイスチャー効果」とは肌の血行を促進させる事で肌の水分の循環や供給を増やす効果の事です。
ヒルドイドには「ヘパリン類似物質」があり、この成分が肌の保水性を高める事が出来ます。
保湿性だけで言えばワセリンよりもヒルドイドの方が優れているといわれています。
しかし、ヘパリン類似物質には皮膚を刺激する可能性があるので、目の周りなどに使用する事ができません。
そのため安全性はワセリンの方が高いといえます。
肌に違和感を感じた場合は使用を中止しましょう。
ヒルドイドの形状は主に、ソフト軟膏タイプ・クリームタイプ・ローションタイプ・フォームなど複数のタイプがあり、それぞれ使い心地が異なります。
自分が使いやすいタイプを選んでみてください。
タイプ | 使用感 | おすすめ部位 |
---|---|---|
ソフト軟膏 |
最も有名なタイプ。油分が多く伸びづらいので、患部にしっかり密着。ヒルドイド製品の中でも一番刺激が少ない。 |
顔、手、部分的 |
クリーム |
軟膏よりもベタつきが控えめなクリーム上で、ソフト軟膏よりも症状が軽い方に。 |
顔、手、肘、膝 |
ローション |
伸びが良く、乳液に似たテクスチャー。使用感は良いが稀に刺激を感じる方も。 |
顔、全身 |
フォーム |
やわらかい泡で出てくる最近出てきたタイプ。よく伸び、しっとりとした使用感のため、ベタつきが苦手でも使える。背中など塗りにくい部位や広範囲にも使いやすい。 |
全身、背中 |
ワセリンは市販されているものも多いですが、ヒルドイドは病院での処方箋でのみ購入する事が出来ます。